シェーディング・ライティング
影と光でドット絵に立体感を
フラットなドット絵に影と光を加えると、一気に立体感と説得力が生まれます。光源の設定、影の色の作り方、素材ごとの塗り分けまで、シェーディングの全てを解説します。
光源の基本
シェーディングの第一歩は、光がどこから来るかを決めることです。光源が決まれば、影の位置は自動的に決まります。
左上(定番)
最も一般的な光源位置
ゲームやイラストの標準。迷ったらこれ
真上
自然な太陽光
屋外シーンに自然。影は真下に落ちる
下から
不気味な演出
ホラーや炎の演出に。日常シーンでは使わない
鉄則
1つの作品(またはゲームシーン)では、光源の方向を統一しましょう。キャラクター、背景、アイテムの光源がバラバラだと違和感が生まれます。
1つの作品(またはゲームシーン)では、光源の方向を統一しましょう。キャラクター、背景、アイテムの光源がバラバラだと違和感が生まれます。
影の色の作り方
影は単に「暗くする」だけではありません。魅力的な影には3つの要素があります。
| 要素 | 変化 | 効果 |
|---|---|---|
| 明度 | 下げる | 暗くなる(当然) |
| 彩度 | やや上げる | 影に深みが出る。彩度を下げるとくすんで見える |
| 色相 | 寒色方向にシフト | 自然な影に見える。暖かい光→影は青寄りに |
色相シフトの例
光
ベース
影1
影2
深影
黄色のベースから、影は赤→紫方向にシフト(ヒューシフト技法)
影の段階数の目安
キャンバスサイズと作風に合わせて、適切な影の段階数を選びましょう。
| サイズ | 推奨段階数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 16x16 | 2段階 | ベース + 影1 |
| 32x32 | 3段階 | ハイライト + ベース + 影1 |
| 48x48 | 3〜4段階 | ハイライト + ベース + 影1 + 影2 |
| 64x64+ | 4〜5段階 | 強ハイライト + ハイライト + ベース + 影1 + 影2 |
避けるべき: ピローシェーディング
ピローシェーディングは初心者が最も陥りやすい間違いです。輪郭に沿って均一に影を入れてしまうパターンで、光源が存在しない不自然な見た目になります。
ピローシェーディング(NG)
- 輪郭に沿って均一に暗くする
- 中央が最も明るく、端が暗い
- 光源がどこにあるかわからない
- 立体感がなく平面的に見える
正しいシェーディング(OK)
- 光源に向かう面が明るい
- 光源の反対側に影が集中
- 光源の位置が一目でわかる
- 立体感があり説得力がある
チェック方法
描き終わった後、「この絵の光はどこから来ているか?」を考えてみましょう。答えが出ないなら、ピローシェーディングになっている可能性があります。
描き終わった後、「この絵の光はどこから来ているか?」を考えてみましょう。答えが出ないなら、ピローシェーディングになっている可能性があります。
素材別のシェーディング
素材によって光の反射の仕方が異なるため、シェーディングのアプローチも変わります。
肌
- 柔らかいグラデーション
- 影は暖色寄り(赤みを帯びる)
- ハイライトは控えめに
- ディザリングでなめらかさを出すのも有効
金属(鎧・剣)
- コントラストが高い(明暗差が大きい)
- シャープなハイライト(1〜2ドット)
- 環境光の反射を意識する
- 影に周囲の色が映り込む
布・服
- 柔らかい影の境界
- シワに沿った影の流れ
- ハイライトは少なめ(光沢のない素材)
- 色相シフトを活かしやすい
木
- 穏やかなコントラスト
- 木目の方向に沿った明暗
- ディザリングで質感を追加
- ハイライトはほぼなし
宝石・クリスタル
- 非常に高いコントラスト
- 強いハイライト(白に近い)
- 内部に光が透過する表現
- 彩度の高い色を使う
水・液体
- 透明感と反射の両立
- 波紋のハイライトライン
- 背景が透けて見える表現
- アニメーションで動きを出す
セルアウト(選択的アウトライン)
セルアウトは輪郭線の色を周囲の色に合わせて変える技法です。光が当たる部分の輪郭を明るく、影の部分を暗くすることで、自然な立体感が生まれます。
- 光が当たる上部・左側 → 輪郭を明るい色に
- 影になる下部・右側 → 輪郭を暗い色に
- 内側の輪郭 → 隣接する色の暗い版に
ヒント
セルアウトは特に32x32以上のキャラクターで効果を発揮します。16x16では輪郭線が1ドットなので、セルアウトの効果は限定的です。
セルアウトは特に32x32以上のキャラクターで効果を発揮します。16x16では輪郭線が1ドットなので、セルアウトの効果は限定的です。
シェーディングの練習方法
- 球体を描いて、左上からの光で影をつける(最も基本の練習)
- 同じ球体で光源位置を変えて3パターン描く
- 立方体(箱)で平面の明暗を練習する
- 円柱で曲面のグラデーションを練習する
- キャラクターに影を入れる。まずはベース+影の2色から
まとめ
シェーディングの鍵は3つ。①光源を決めて統一する ②影は明度を下げるだけでなく色相もシフトさせる ③素材に応じてコントラストとハイライトを調整する。ピローシェーディングを避け、光の方向を意識して描きましょう。
シェーディングの鍵は3つ。①光源を決めて統一する ②影は明度を下げるだけでなく色相もシフトさせる ③素材に応じてコントラストとハイライトを調整する。ピローシェーディングを避け、光の方向を意識して描きましょう。